巣を張るための毛皮集め 2 ジミー・リックス著
概要
ダンゴグ・コモン・レクリエーション保護区にあるこの印象的なコルテン鋼の彫刻は、カンガルーがブラウンヘッド・ハチドリの巣の毛皮を提供しているという共生の瞬間を描いています。
2023年度Sculpture on the Farm Inc Acquisitive Prizeを受賞したこの作品(全3部作のうち第2部)は、オーストラリアの生態系における複雑な関係性を称えています。
1971年、クイーンズランド州アローラ生まれのジミー・リックスは、牛と農作物を栽培する農場で育ち、ダーリング・ダウンズでの生活が彼の芸術的ビジョンを形作りました。彼がオーストラリアの風景とそこに生きる生き物たちと深く結びついたのは、幼少期にアボリジニの聖地で過ごした経験や、在来の野生動物との密接な出会いから生まれたものです。
リックスの物語性に基づいた彫刻作品には、反抗的なカンガルー、堂々としたフクロウ、家庭のペット、そしてキツネやワタリガラスといった野生生物など、彼自身の経験に基づいた登場人物が繰り返し登場します。現在、ビクトリア州マセドン・レンジズにあるジャジャ・ワラン族の土地を拠点に、小規模な牧場を経営しながら創作活動を続けています。
国会議事堂アートコレクションからartsACTやニューサウスウェールズ州交通局の公共インスタレーションまで、オーストラリア各地で主要な委託作品を手掛け、リックス氏はオーストラリア彫刻界における重要な存在としての地位を確立しています。オーストラリアン・ギャラリーズでの個展「Symbiosis」(2022年)や「Domestic and Feral」(2020年)に加え、「Sculpture by the Sea」といった著名なグループ展にも参加しています。
「Collecting Fur to Line the Nest 2」を通して、リックス氏は来場者に、オーストラリア特有の生物多様性を支える繊細な共生関係の保全における私たちの役割について考えるよう促しています。